幕末・明治の超絶技巧 世界を驚嘆させた金属工芸
―清水三年坂美術館コレクションを中心に
平成23年1月7日(金)〜2月20日(日)
幕末・明治という時代は、日本の美術全般に大きな変革をもたらしました。中でも金工は、永く刀装金工を中心に発展し、幕藩体制の崩壊とともに大きな後ろ盾を失いました。職人たちは「金属による表現」という、それまでとは全く異なる技量を試されることになったのです。
帝室技芸員として金工界を牽引していった加納夏雄と、伝統的な刀装具の技を極めた後藤一乗(いちじょう)は、新しい時代にまったく異なる道を歩んだ双璧と言えるでしょう。彼らの技はその後の金工作家たちに受け継がれていきます。奈良派の彫金師・塚田秀鏡(しゅうきょう)、一乗の高弟・中川一匠(いっしょう)はじめ、格調高い美の世界を作り上げた海野勝a(しょうみん)、明治後半期の彫金界をリードした香川勝廣(かつひろ)、鍛金作家の山田宗美(そうび)、猛禽類の鋳金作品で知られる鈴木長吉など枚挙にいとまがありません。また、岡山はモチーフを見つめる確かな目とユーモアで他の追随を許さない彫金家・正阿弥勝義(しょうあみかつよし)を生み出しました。
彼らの作品は、明治時代の工芸全般に特有の、モチーフのとらえ方にみるリアリズムと、細緻を極めたまさに“超絶技巧”というべき驚きの技に満ちています。こうした作品は、政府が日本の技術力を世界に示すため出品した数々の博覧会で披露され、諸外国を驚嘆させました。
本展は、幕末・明治美術のコレクションで知られる清水(きよみず)三年坂美術館の所蔵品を中心に、変革の時代に新たな芸術を目指した金属工芸の名品約170件を展示します。
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〈主な出品作家〉
後藤一乗 中川一匠 正阿弥勝義 加納夏雄 塚田秀鏡 海野勝a 香川勝廣 鈴木長吉 大島如雲 山田宗美 鈴木美彦 鹿島一谷
10:00〜17:00(入館の受付は16:30まで) 木曜休館
一般・大学生1,000円(750円) 小・中・高校生500円(400円)
※( )内は1月6日までの前売り料金
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
主催:佐野美術館、三島市、三島市教育委員会
後援:静岡県教育委員会
協力:清水三年坂美術館
協賛:伊豆箱根鉄道株式会社
※本展覧会中、当館の所蔵品は展示いたしません。
後藤一乗・海野勝a・篠山篤興・池田隆雄・是真派 秋草虫尽図合口拵 清水三年坂美術館蔵
正阿弥勝義 群鶏図香炉(部分) 清水三年坂美術館蔵
明治維新そして廃刀令後、高度な技術を持った刀装具職人は金工作家へ転身し、明治の金工は新たな美術工芸として華開きます。本章では、東京美術学校(現 東京藝術大学)彫金科教授、そして帝室技芸員になった加納夏雄・海野勝a、岡山、京都で創作に励んだ正阿弥勝義という3人の代表的作家を紹介します。
大島如雲 鯉波置物 東京藝術大学蔵
幕末・明治の超絶技巧展会期中イベント
■講演会「明治の金工・コレクターの視点から」 終了しました
日時:1月30日(日) 14:00〜
講師:村田理如(清水三年坂美術館館長)
参加費: 500円
※要申込・先着順
■担当学芸員のギャラリートーク 終了しました
日時:会期中毎週土曜日 14:00〜
会場:佐野美術館2階展示室
※
申込不要・聴講無料・入館券をお求めの上、展示室入口にお集まりください。
■佐野美術館でお正月〜甘酒のサービス、初夢運だめしくじ引き行います!〜
終了しました
日時:1月8日(土)・9日(日)・10日(月・祝) 10:00〜15:00
※甘酒がなくなりしだい終了します。
※会期中の土日、甘酒のサービスを継続します。
■慈雲会茶会 終了しました
日時:1月8日(土)
席主:濃茶席=原宗香(表千家)、薄茶席=渡辺宗契(裏千家)
会費:7,000円
※要申込・先着順
さのび子どもくらぶ「自由に動くえびモデルをつくろう」 終了しました
日時:1月15日(土)・2月12日(土) 13:00〜16:30
定員:各回10組20名
対象:親子参加・小1年〜中3年
参加費:親子1組2,000円
※要申込・先着順