年間スケジュール(2018年度)

平成30年4月7日(土)~平成30年5月20日(日)

鏨の華 ―光村コレクションの刀装具―

刀装具とは、刀剣外装「拵」(こしらえ)の金具です。江戸時代以降に装飾性が増し、驚くほどきらびやかで細密な作品がつくられました。

神戸に生まれた光村利藻(みつむら としも)[号 龍獅堂(りゅうしどう)]は刀装具の名品を集めた『鏨廼花(たがねのはな)』を刊行した明治時代の実業家です。港から海外にむけ大量に持ち出される刀装具を目にし、自らの資財をつぎ込み一大コレクションを築く一方で、断絶の危機にあった装剣金工の技術の継承にも心を配りました。単に作品の美を称えるためだけではない光村の幅広い活動により、刀装具への理解が深められました。

本展覧会では、現在根津美術館が所蔵する光村コレクションの刀装具を中心に、光村が魅せられた掌上の金属美をご紹介します。

※会期中一部展示替えがあります。



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日、5月5日(土・祝)は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
※本展チケット(有料)半券のご提示で、会期中2回目以降の入館料2割引
平成30年5月26日(土)~平成30年7月1日(日)

白隠禅師250年遠諱記念展
駿河の白隠さん

白隠慧鶴(はくいん えかく)禅師(1685~1768)は江戸時代中期に活躍した臨済宗の傑僧です。

貞享(じょうきょう)2年駿河(するが)国原宿(現静岡県沼津市原)に生まれ、15歳のとき原の松蔭寺にて出家、慧鶴と名のりました。信州の道鏡慧端(どうきょう えたん)に参禅、真の悟りを得て帰郷後、34歳で松蔭寺の住職に就き、白隠と号しました。晩年は三島・龍澤寺の開山となり、明和(めいわ)5年84歳に示寂(じじゃく)しました。

白隠は坐禅のみならず、日々の一切の行いが修行であり悟りの道であるとして、諸国を巡って精力的に講義を行い、禅僧を厳しく導きました。また在家のために絵や書をあらわし、禅のこころをやさしく伝えました。その内容は高僧の語録集や公案に関する著作本をはじめ、達磨や釈迦、観音などの禅画、墨蹟、天神や七福神の民間信仰の神々、昔語りや流行歌まで、実に幅広く表現は独創的であり、生涯、膨大な数の書画を制作し続けました。

本展は白隠禅師250年の御遠諱(ごおんき)を記念し、静岡県内の寺院や個人所蔵およびゆかりの書画を中心とした約90点の名品を主題ごとに展示いたします。

ときに眼光鋭く叱咤し、ときに微笑をたたえ慈愛で諭す。強烈かつ懐中に深く入る白隠のメッセージは、時代を超えて現代の人々の心に響きます。当館では32年ぶりとなる白隠展です。この機会に是非ご覧下さい。

※会期中一部展示替えがあります。

【白隠展割引】
静岡市美術館で開催の「駿河の白隠さん」展(平成30年2月10日~3月25日)チケット半券のご提示で会期中入館料2割引(当日券のみ、他のサービスとの併用はできません)になります。
さのびのみの展示作品も25点。両館の展示をお楽しみください。

静岡市美術館「駿河の白隠さん」(外部リンク・別ウィンドウで開きます)
静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3F Tel:054-273-1515

 



入 館 料 一般・大学生1,000円  小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
※本展チケット(有料)半券のご提示で、会期中2回目以降の入館料2割引
平成30年7月7日(土)~平成30年9月2日(日)

岩合光昭写真展「ネコライオン」

世界を舞台に活躍する動物写真家・岩合光昭。地球上のあらゆる地域の大自然と野生動物を撮り続ける一方、私たちの身近に暮らすイヌやネコの撮影でも多くの人々を魅了しています。
中でもとりわけ多くの時間を割いて撮影を継続しているのが、ネコとライオンです。
私たち人間の生活に溶け込むように暮らすネコ。百獣の王と呼ばれ、人間と無縁の野生の世界に生きるライオン。彼らは同じネコ科でありながら、大きさも生活も異なります。それでも、やはりどこか似ているのです。
写真展「ネコライオン」では、岩合光昭が捉えた人間と共生するネコ、野生に生きるライオンを対比して展示します。彼らの共通点や差異を感じることで、私たち人間がどこかに忘れてきてしまった“野生”を浮き彫りにしていきます。
似ているようで似ていない、似ていないようで似ている。「ネコライオン」の摩訶不思議な世界を、是非体感してください。



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※8月1日(水)は入館料無料(創立者・佐野隆一翁生誕日)
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
※8月21日(火)は1割引(県民の日)
平成30年9月8日(土)~平成30年10月14日(日)

江戸にあそび、街道をゆく
―北斎・広重競べ―

和泉市久保惣記念美術館の浮世絵版画コレクションより

葛飾北斎(かつしか ほくさい)(1760~1849)と歌川広重(うたがわ ひろしげ)(1797~1858)は江戸後期に活躍した、世界に広く知られる浮世絵師ですが、ともに風景画の分野で人気となりました。

江戸時代は街道や宿場が整備され、人や物が盛んに行き交いました。やがて社寺参詣を目的としながら物見遊山をする人々が増え、旅の心得や地図、名所案内などが出版されました。北斎や広重の風景画はこのような機運のなか登場したのです。
北斎は大胆な構図で様々な角度から望む富士の雄姿をとらえ、広重は繊細な感性で季節のうつろいを叙情豊かに描きました。これまでにない彩りと変化に富んだ表現は、人々の旅情を掻き立て、様々な富士や東海道のシリーズが生まれました。

本展は大阪・和泉市久保惣記念美術館所蔵の6,000点を超える浮世絵版画から厳選した約150点を紹介いたします。北斎や広重の代表作などから東海道をたどる展示を行います。ときに江戸時代の旅人となって、街道の美しい風景や珍しい風物をお愉しみ下さい。



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※9月17日(月・祝)敬老の日は65歳以上無料
※15名以上の団体は各2割引
平成30年10月20日(土)~平成30年12月24日(月)

おさるのジョージ展
「ひとまねこざる」からアニメーションまで

絵本「ひとまねこざる」シリーズは、アメリカの絵本作家マーガレット・レイとハンス・レイの夫婦によって生みだされ、1941年に「Curious George」というタイトルで発刊されました。日本では1954年に出版されて以来約550万部が販売され、身の周りのあらゆることに対し好奇心をもち、愛らしい騒動や冒険を巻き起こすおさるのジョージは、多くの人々に愛されてきました。そして、2008年にNHK EテレでTVアニメーションシリーズがスタートするとアニメ版のジョージはさらに多くの子どもたちから支持を得るようになります。

本展では、日本初公開となる約200点の絵本原画や制作のためのスケッチを中心に、レイ夫妻の制作にまつわる様々な資料などを展観いたします。原作ならではの美しい色彩や、色鉛筆や水彩の筆致を間近でご覧いただける貴重な機会です。さらにアニメ版の絵コンテや設定画、映像などを加え「絵本版クラシックジョージ」と「アニメーション版ジョージ」の魅力をご紹介いたします。

Curious George and related characters, created by Margret and H. A. Rey, are copyrighted and registered by Houghton Mifflin Harcourt Publishing Company and used under license. Licensed by Universal Studios. All rights reserved.

Curious George television series merchandise © Universal Studios. Curious George and related characters, created by Margret and H. A. Rey, are copyrighted and registered by Houghton Mifflin Harcourt Publishing Company and used under license. Licensed by Universal Studios. All rights reserved.

Curious George: Selections from the H.A. and Margaret Rey Collection from the University of Southern Mississippi has been organized by the de Grummond Children’s Literature Collection University of Southern Mississippi



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
平成31年1月7日(月)~平成31年2月24日(日)

REBORN 蘇る名刀

日本刀の輝きは、時代を超えて人々を魅了してきました。
しかし長い歴史の中で、大坂城落城、明暦の大火、関東大震災など、戦乱や天災に巻き込まれ、焼けただれ、鉄の塊となってしまった名刀も多くありました。
名刀と呼ばれる刀剣は、ある時は特別な霊力を秘める宝物であり、ある時は権力の象徴でした。それゆえ日本人は、焼き直しという手法で傷ついた刀剣に再び命を吹き込み、今日まで伝えてきました。現在では文化財保護の観点も視野に入れ、この試みが続けられています。
本展では約50件の刀剣をご紹介します。様々な困難をくぐり抜け、今また美しい光を取り戻した刀の物語です。

※会期中一部展示替えがあります。

主な出品作品
■重要文化財    刀子 平安時代 平泉町蔵
■重要文化財    吞口式打刀 平安時代 中尊寺金色院蔵
■重要文化財 刀 金象嵌銘 永禄三年五月十九日 義元討捕刻彼所持刀/織田尾張守信長〈名物 義元左文字〉 南北朝時代 建勲神社蔵[展示期間:2月1日(金)~2月24日(日)]

■脇指 銘 吉光〈名物 鯰尾藤四郎〉 鎌倉時代 徳川美術館蔵[展示期間:1月7日(月)~1月30日(水)]
■刀 無銘 光忠〈号 燭台切光忠〉 鎌倉時代 徳川ミュージアム蔵[展示期間:1月7日(月)~1月23日(水)]
■脇指 無銘 貞宗〈名物 獅子貞宗〉  鎌倉~南北朝時代 個人蔵
■刀 無銘 左〈名物 織田左文字〉 南北朝時代 彦根城博物館蔵
など、国宝・重要文化財6点を含む約50件



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引
平成31年3月2日(土)~平成31年4月7日(日)

名工・永徳齋の人形―旧安田楠雄家の節句飾りと紙鳶洞コレクション

雛の節句にふさわしく、名工・永徳齋(えいとくさい)の人形を展示いたします。

永徳齋は、日本橋十軒店に明治2(1869)年より店を構えた人形司(にんぎょうし)です。贅を尽した人形は皇族や旧公家、財閥などの愛顧を受け、昭和の時代まで繁栄しました。
本展では、三代永徳齋の手になる豪華な節句飾りを展示いたします。

東京都文京区千駄木にある旧安田楠雄邸は、安田財閥の安田善四郎以来長く住み続けられた格式ある日本家屋ですが、ここに善四郎の子息楠雄が令嬢美佐子・香名子姉妹のためにあつらえた雛飾りと、長男のための五月飾りが伝わっています。これらは同邸残月の間の床の間に合わせ、人形と道具すべてを永徳齋によって揃えたという格式高いものです。

また、永徳齋研究の第一人者である林直輝氏の「紙鳶洞(しえんどう)コレクション」から、武者人形を中心とした永徳齋各代の名品を展示します。

人形美の極致ともいえる永徳齋の世界をお楽しみください。

同時開催「佐野美術館のおひなさま」
佐野美術館所蔵・寄託の雛人形から、江戸の名工原舟月(はら しゅうげつ)作と伝えられる古今雛、細緻な技から生まれた極小の雛道具、御所を忠実に模した豪華な御殿飾りなどを展示、優雅で華麗な雛の世界を紹介します。



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引