年間スケジュール(2012年度)

平成24年4月21日(土)~平成24年6月3日(日)

©MITSUAKI IWAGO

岩合光昭写真展「ねこ」

「ネコが幸せになればヒトも幸せになり、地球も幸せになる!」と語る写真家・岩合光昭。私たちの身近に暮らす猫たちの表情豊かな姿を写し出すその写真は、幅広い年代層から絶大な人気を集め、人々の心をとらえてやみません。

『岩合光昭写真展~ねこ~』は、岩合光昭が40年以上に及ぶ写真家人生の中で撮り続けてきた猫たちを、一堂に集めた展覧会です。

旅先で出会った猫たちと、あたかも会話を交わしながら撮影したような作品には、自由で、愛らしく、誇り高い猫たちが見事に活写され、見るものに得もいわれぬ温かい気持ちを与えてくれます。

愛くるしくもたくましい猫たちのベストショットとともに、若き日の岩合さんと一緒に暮らした猫「海(かい)ちゃん」、さらに猫島として知られる田代島を撮影した最新作「ハートのしっぽ」各シリーズから精選した写真作品約150点で構成いたします。

※木曜休館(5/3は開館)



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
平成24年6月9日(土)~平成24年7月16日(月)

伊藤尚未 電気美術倶楽部

電線をくるくる巻くと磁石になるんだ―――。静岡の豊かな自然に囲まれた生活の中で、自然界の不思議に心惹かれ、自由闊達(かったつ)に育った伊藤少年は、子どもの時に大阪万博で見た太陽の塔に衝撃を受けます。「なんだこれは!」造形の力に圧倒された経験は、後に自然科学とアートという伊藤作品の二つの柱となりました。

常識を少し斜めからみた時の面白さ、当然のことを疑問に思う気持ち、それが伊藤尚未の原点であり、全ての作品に共通する魅力です。
螺旋(らせん)シリーズと呼ばれる作品は、「方向性のない球体に2つの方向性を持つ螺旋を組み合わせたら?」という好奇心から。光を用いた作品は、静物デッサンをしながら感じた「なぜ影を描かなくてはいけないんだ!ネガティブな!」という不満から、それぞれ生み出されました。

「クスッ」と笑えて、「へーェ」と言える。私たちの日常のものの見方を少し変えて見せてくれる伊藤尚未の作品は、体験しなければ魅力が伝わらないものばかりです。現代アート初心者の方も、どうぞお気軽にご覧ください。

※木曜休館



入 館 料 一般・大学生900円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
平成24年7月27日(金)~平成24年8月26日(日)

第3回 日本刀の匠たち 私の最高傑作

日本刀は、武士の魂として、また日本人の精神の象徴として、千余年の歴史を通じ尊ばれてきました。現在その卓越した技術は、日本の近現代工業の発展の源として、世界の関心を集めています。現代刀工・職方を集めた展覧会として3回目となる本展では、日本刀の技を継承し、新たな創造の世界へと精進する刀工とそれに携わる職人たち41名の“最高傑作”を紹介します。また今回は特別展示として、昨年逝去された刀身彫刻・苔口仙琇氏の凛とした気品あふれる作品をご鑑賞いただきます。
あわせて鋼作り・鍛錬・小刀焼入れなど日本刀製作の工程や、研ぎ・鞘作り・刀身彫刻などの仕事を、見学・体験できる講座も多数開催します。現代に生きる伝統の優れた技とその心を受け止めていただければ幸いです。
※木曜休館

出品作家 50音順・敬称略
《刀工》
赤松伸咲  安藤広康  石田四郎國壽  伊藤重光
江住有俊  大野義光  尾川兼圀  尾川兼國
月山貞伸  加藤慎平  川崎晶平  川島一城
河内一平  木村兼光  工藤将成  久保善博
佐々木胤成  下島房宙  宗勉  宗昌親
高橋恒厳  高見太郎國一  田中貞德  田中貞豊
廣木弘邦  堀井胤匡  松川清直  真鍋純平
二代源正光  宮入小左衛門行平  明珍宗裕  吉田康隆
《職方》
柏木重光(刀身彫刻) 片山重恒(刀身彫刻)
飯山捲仙(柄巻師)  野口沙耶(白銀師)  廣井章久(鞘師)
泉公士郎(彫金師) 川島義之(彫金師)  福與裕毅(彫金師)  栁川清次(彫金師)



入 館 料 一般・大学生900円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※8月1日(水)は無料(佐野隆一翁誕生日)
※15名以上の団体は各2割引
※8月21日(火)は1割引(県民の日)
平成24年9月1日(土)~平成24年9月30日(日)

祈りの形
古代から現代へ、人の心の在り方

—佐野美術館コレクションを中心に

「祈り」という行為は、古代の呪術的な表現からはじまり、神や仏への帰依によって、様々な形を生み出しました。本展覧会では、古鏡や土器、平安時代(12世紀)の大日如来坐像(重要文化財)をはじめとする仏像や仏画のほか、仏教芸術を荘厳するために発達した截金技法による現代作品など、当館の収蔵作品の中から時代やジャンルを超えて「祈りの形」をご紹介します。その中には皆さまからのリクエストの多い刀の作品も含まれます。古墳から出土した供献用の刀をはじめ、武器としての側面を強め、所有者のステイタスともなった日本刀の名品の数々をご覧ください。
数千年、数百年の時を越えて、今私達に守り伝えられた祈りの形を通して、先人の心に思いを馳せて頂ければと思います。

※木曜休館



入 館 料 一般・大学生700円 小・中・高校生300円
※毎週土曜日は小中学生無料
※9月17日(月・祝)敬老の日は65歳以上無料
※15名以上の団体は各2割引
平成24年10月6日(土)~平成24年11月25日(日)

小村雪岱 江戸の残り香

—清水三年坂美術館コレクションより

小村雪岱(1887~1940)は、大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家です。

明治20年埼玉県川越に生まれ、東京美術学校(現東京藝術大学)で下村観山に学びました。卒業後は古画模写に従事し伝統絵画を学びつつ、資生堂意匠部に勤め、ロゴマークやパッケージデザインの仕事に関わりました。

雪岱が画才を発揮したのは、装丁や挿絵の世界でした。泉鏡花の著書『日本橋』の装丁を手掛けたところ評判となり、以降、多くの新聞や雑誌、小説を飾り、さらには歌舞伎や新劇の舞台美術、映画の時代考証にもたずさわりました。

とりわけ雪岱の作品が賞賛されたのは女性表現でした。余白をいかした簡潔な構図の中に、細くたおやかな線で女性をとらえました。繊細可憐なうちにほのかな色香をたたえた姿は、江戸中期の浮世絵師・鈴木春信になぞらえて「昭和の春信」と称され、竹久夢二や鏑木清方とともに人気を博しましたが、昭和15年54歳で急逝しました。

このたび、京都・清水三年坂美術館コレクションから、肉筆画、版画、挿絵や舞台装置の原画、装丁本など、約300点を紹介します。再評価の動きが高まりつつある今、初公開を多数含む作品を通して、まだ知られざる雪岱美人の世界をご覧いただきたいと思います。

※本展覧会会期中、当館所蔵作品の展示はありません



入 館 料 一般・大学生1,000円 小・中・高校生500円
※毎週土曜日は小中学生無料
※15名以上の団体は各2割引