分野 日本刀 Japanese Sword

名称

秋草文黒漆太刀拵 中身 太刀 銘 豊後国行平作

(あきくさもんくろうるしたちこしらえ)
(たち めい ぶんごのくにゆきひらさく)

画像
指定情報
重要文化財
作者
太刀/豊後国行平(ぶんごのくにゆきひら)
国
日本
時代
拵/室町時代(16世紀)
太刀/鎌倉時代初期(13世紀)
形質
拵/糸巻太刀拵
太刀/鎬造り 鍛造
員数
1腰
法量
拵/総長 122.0 cm
太刀/刃長 76.6 cm 反り 3.6 cm
解説
黒漆太刀は鞘、柄、金具をすべて黒漆で塗り込めた拵で、平安時代から室町時代まで実戦用として最も一般的に使われた。この拵は、鞘に大きな三日月が銀鈿でデザインされ、鐔は鉄の丸形、金具は黒い赤銅に繊細な秋草の毛彫りがあり、柄と渡巻には金茶色の糸を巻く。戦国武将上杉謙信の所用と伝えられ、持ち主の好みを表している。中の太刀は、鎌倉時代初期の豊後国行平の作。
名称

薙刀 銘 備前国長船住人長光造

(なぎなた めい びぜんのくにおさふねじゅうにんながみつぞう)

画像
指定情報
国宝
作者
長光(ながみつ)
国
日本
時代
鎌倉時代(13世紀)
形質
薙刀造り 鍛造
員数
1口
法量
刃長 44.2 cm 反り 1.7 cm
解説
長光は鎌倉時代を代表する備前国(現在の岡山県)長船の刀工。長船派の祖・光忠の子で、大工房の長として活躍し、同時代では在銘作が最も多く残る刀工である。作風は、父親に似た 華やかな丁子乱れの作から、変化の少ない互の目調のものまで多様である。
薙刀は、鎌倉時代から室町時代にかけて実戦で使われた消耗品であるため、本品のように保存状態がよいものは非常に珍しい。津山松平家に伝来した。昭和63年、佐藤寛治氏より寄贈。
名称

刀 金象嵌銘 備前国兼光/本阿弥(花押) 〈名物 大兼光〉

(かたな きんぞうがんめい びぜんのくにかねみつ/ほんあみ(かおう) 
めいぶつ おおかねみつ)

画像
指定情報
重要文化財
作者
兼光(かねみつ)
国
日本
時代
南北朝時代(14世紀)
形質
鎬造り 鍛造
員数
1口
法量
刃長 83.5 cm 反り 2.3 cm
解説
兼光は長船4代目の南北朝時代を代表する名工。初期の作風は父景光に近い片落ち互の目や丁字刃だが、延文(1356〜1360)頃から作風が一転し、大鋒の大太刀に鎌倉風ののたれ文を焼く。本作は後期の典型で、もとは刃長1mを超えたと思われる長大な太刀だが、精美な地鉄に鎌倉流とは異なる静謐なのたれ文を破綻なく焼き、技術の高さを示している。後の時代に磨上げられ、本阿弥光温の金象嵌が入れられている。太閤秀吉の遺物として前田利常邸で藤堂高虎が拝領、その後、徳川将軍家に伝来した。
名称

短刀 銘 国光 附 金梨子地葵紋蒔絵合口拵

(たんとう めい くにみつ)
(きんなしじあおいもんまきえあいくちこしらえ)

画像
指定情報
重要文化財
作者
国光(新藤五)(くにみつ)
国
日本
時代
短刀/鎌倉時代(13世紀)
拵/江戸時代
形質
短刀/冠落し造り 鍛造
拵/金梨子地塗 合口拵
員数
1腰
法量
短刀/刃長 25.1 cm 内反り
拵/総長 38.9 cm
解説
茎先まで神経の行き届いた気品高い冠落し造りの姿に、緊張感のある直刃を焼く。短刀の名手・新藤五国光を代表する名刀である。国光は永仁元年(1293)の年紀が残る鎌倉流の実質的な創始者であり、名工正宗の師匠と伝え、京・粟田口派の系統と考えられている。この短刀は、粟田口由来の細かな杢目文の地鉄に沸が美しく光り、刃にも円い沸が並び、刃中には金筋が踊り輝く、沸の魅力あふれる作である。附属する、鐔のない合口拵は江戸時代後期の作で、金梨子地に葵紋蒔絵の鞘に、金工の名門・十五代後藤光美の倶利伽羅龍小柄、目貫が付く。もと細川護立(1883~1970)の蔵刀であった。
名称

刀 無銘 正宗

(かたな むめい まさむね)

画像
指定情報
重要文化財
作者
正宗(まさむね)
国
日本
時代
鎌倉時代(14世紀)
形質
鎬造り 鍛造
員数
1口
法量
刃長 68.2 cm 反り 2.7 cm
解説
正宗は新藤五国光の門で、鎌倉時代末期に活躍した刀工。精美な地鉄に沸を強調した躍動感あふれる新しい作風を創始、後の刀工に大きな影響を与えた。正宗作として伝世するものの多くは大磨上げで、本作もそのひとつである。青く澄んで冴えた地鉄に、正宗が創出したと伝えるゆったりとしたのたれ文を焼く。刃縁には匂いの上に沸を敷く「雪のむら消え」と賞される景色を見せ、刃中の金筋、地景などの沸が織りなす文様が輝く、静謐な中に躍動感を秘めた作である。藤堂高久の遺物として献上され、紀伊徳川吉宗が拝領、その後将軍となった吉宗から若君の疱瘡快癒の引出物とされた。以来同様の祝儀に代々使われた由緒を持つ。
名称

刀 朱銘 義弘/本阿(花押) 〈名物 松井江〉

(かたな しゅめい よしひろ/ほんあ(かおう) めいぶつ まついごう)

画像
指定情報
重要文化財
作者
義弘(よしひろ)
国
日本
時代
鎌倉時代(14世紀)
形質
鎬造り 鍛造
員数
1口
法量
刃長 69.4 cm 反り 1.6 cm
解説
義弘は、正宗と同門と伝える越中松倉郷の名工。生ぶ在銘作は現存せず、伝世する作も非常に少ないが、室町時代の刀剣書『往昔抄』に銘のある茎が掲載され、当時から名工として知られていた。この刀は、小板目の極めて細かく精美な地鉄に、直刃を焼く。刃には澄んだ円い沸が深く輝き、冴え冴えとした名品である。『享保名物帳』所載で、熊本藩主細川家の家老松井佐渡守が所持したことから、「松井江」と呼ばれる。徳川五代将軍綱吉の娘鶴姫が、紀州徳川家に輿入れの折に引出物として贈られ、以来同家に伝来した。茎の朱銘は本阿弥光常による。